今回は冬の時期のアガベの育て方についてご紹介します。
中でも、冬の時期にアガベを屋外で管理しても大丈夫なのかや、寒さに耐性があるアガベについて詳しく紹介していきます。
冬越しに失敗すると、どうなるのか?
アガベは寒さにも比較的強い植物ですが、冬越しに失敗すると以下の例のような事態になります。
・日照不足→徒長する
・霜が当たる→冷害で葉がだらしなくなる。最悪の場合は枯れる恐れも。
・春先の動きが悪くなる→成長期なのに立派に育たない
冬越しの管理方法
ここからは冬越しの管理について紹介していきます。
管理のポイントを以下の通り、大きく4つになります。
・置き場所
・水やり
・日当たり
・温度
1つずつ詳しく紹介します。
置き場所
アガベの冬越しで最も注意すべきことは、霜が当たることです。霜による冷害で、葉の状態が悪くなることや株の中心部の成長点まで、冷害が及ぶことによって最悪枯れる恐れがあります。そのため、霧に当たらないように管理するには、室内でアガベを管理することが無難になります。どうしても室内でアガベを管理することが、難しい場合は雨や雪が当たらない軒下で管理するようにしましょう。
冬の水やり
冬の水やりについては断水気味に行います。完全断水でも可能ではありますが、根がダメになってしまうと春先の成長が鈍ることもありますので、根を生かしていくためにも月1回程度で軽く水やりをしましょう。水やりのポイントとして、鉢底を水に少しつけるやり方や用土の表面を湿らせたりします。また水やりをするタイミングとしては、天気の良い日が続く朝方に水やりを行うのも良いでしょう。夜から明け方は冷えるので夜の水やりは控えることをお勧めします。
日当たり
夏でも冬でも日当たりは良い方がいいです。室内管理の場合は日当たりが悪くなりやすいので、日照不足には注意しましょう。室内管理で日照不足を解消するために、植物育成ライトを使用するのもお勧めです。また最高気温が10度以上超えるのであれば、日中は屋外や軒下に出しても良いでしょう。
室内に取り込む温度
室内への取り込み温度の基準として、最低気温5℃以下や最高気温10℃以下があげられます。ですので、最低気温5℃、最高気温10℃を下回ったら室内へ取り込むようにしましょう。5℃以下になってもすぐに枯れてしまうということは考えにくいですが、室内に取り込むのが無難であり特に小さな株ほど体力も少ないので優先的に取り込むことをお勧めします。アガベは休眠期はありませんが、一般的に10℃を下回ると成長が止まります。そして逆を言うと、10℃あればアガベは成長します。また室内で10℃以上で管理する場合は、日照不足で徒長する可能性もありますので注意するようにしましょう。
冬越しの注意点
ここからは冬越しでの注意点について紹介していきます。
冷害
先ほど上でも説明したように、冬越しで最も注意するのは霜による冷害になります。葉の水分が、霜や雪によって凍結することで、冷害が起こります。1度凍った水分が、解凍されると葉がブヨブヨでだらしない姿になります。そして冷害が、株の中心部の成長点までおよぶと、最悪の場合はアガベが枯れてしまいます。
徒長
徒長とは、日照不足によって植物の茎や枝が必要以上に間延びしてしまうことをいいます。冬場は特に日照時間も短くなり、また気温も低くなることで、室内に取り込むことが増え、さらに日照不足の原因となります。徒長を防ぐ対策として、アガベの水やりの調整や日当たりに注意が必要です。その他の対策として、室内で日照不足を感じる方は、植物育成ライトの使用することもお勧めです。
簡易温室の使い方
雨や雪そして霜から防げるメリットがあることから、簡易温室を使用している方も多いです。しかし簡易温室を使用する場合は、昼間の温度上昇や夜から朝方にかけての冷え込みに注意が必要となります。簡易温室は日中に日が当たると温室の温度が急激に上がり、冬の管理で水やりを控えている場合は葉焼けを起こす可能性があります。また夜間は寒さを考慮し、簡易温室を閉め切ってしまうことから空気の流れが滞り、余計に温度が下がってしまうことがあります。ですので簡易温室を使用する場合は、日中は開けておき、夜間は完全には閉め切らず、少しだけ外の空気が入るようにしておくようにしましょう。
アガベの耐寒性一覧
アガベは比較的寒さに強いですが、品種によって耐寒性は異なります。
耐寒温度はあくまで目安になりますが、アガベのメジャーな品種の耐寒性を纏めました。
品種名 | 耐寒温度(℃) |
アメリカーナ | ー8 |
アテヌアータ | 0 |
イシスメンシス | 0 |
オテロイ | 0 |
オバティフォリア | ー15 |
キシロナカンサ | ー7 |
グアダラハラナ | ー4 |
グイエンゴーラ | 4 |
コロラータ | ー8 |
五色万代 | ー12 |
笹の雪 | ー7 |
サルミアナ | ー15 |
ジプソフィラ | 0 |
ジェントリー | ー4〜0 |
ジェントリージョーズ | ー12 |
帝釈天 | 0 |
チタノタ | 0 |
パラサナ | ー9 |
パリー | ー7 |
パリートルンカータ | ー10 |
パルメリー | ー12 |
フィリフェラ | ー8 |
ボビコルヌータ | ー4〜0 |
ポタトラム(雷神) | 0 |
ホリダ | 0 |
マクロアカンサ | 0 |
モンタナ | ー18 |
ユタエンシス | ー18 |
※耐寒温度はあくまで目安です。
※栽培環境によってはその温度まで耐えられい場合もございます。
※参考サイト:アガベサイトより
人気種であるチタノタ、イシスメンシス、ホリダ、ポタトラムなどの系統は0℃と耐寒がそんなに強くはないので、室内管理などの対策をしておくのが良いです。
まとめ
今回は冬の時期のアガベの育て方についてご紹介しました。
アガベの冬越しは、注意すべき点が多いですがしっかりと対策をすれば大丈夫です。冬前にしっかり対策の準備を行い、春先に良いスタートにしましょう。