気になる!植物専門用語。

今回は植物を育てる上で、大事になってくる植物の専門用語について紹介していきます。
特にアガベは、品種や血統が同じでも育て方によっては、大きく異なる形にもなることがあるので専門用語を知り、正しい育て方をするだけでも、かっこよく仕立てることが可能です。

植物の専門用語

・接ぎ木

読み方は「つぎき」と言い、2つ以上の植物を人工的にくっつけた株になります。接ぎ木は面白い育ち方をし、近い分類どうしで丈夫な性質を持つ植物を使い、上部にくっ付けた植物は、下の植物から栄養をもらい生きています。

・挿し木

読み方は「さしき」と言い、株の一部(枝など)を切り取り、発根させて増やした株になります。挿し木は簡単に増やせ、またかっこいい挿し木もありますが、デメリットとして親株と同じクローンでありながら違う形に育ってしまう点があります。

・抜き苗、ベアルート、未発根

アガベについて調べていると、「抜き苗」「ベアルート株」「未発根」という表記をよく見かけます。この表記があるもの全ては、根っこが生えていない状態の株のことを言い、また海外から輸入されてきた株になります。海外から輸入された植物は、植物検疫を通すために根の土を落とさなければならないことから(根をカット)根っこが生えていません。

・実生

読み方は「みしょう」と言い、種から育てられた株になります。日本で種から発芽させて育てた株は、「国内実生」と書かれています。生産者さんにもよりますが、「実生」は種から育てられたということもあり、作りこまれ、洗礼された形が多い印象です。また「国内実生」は日本で管理しているということで、日本の激しい四季に順応している株が多く、本来、暖かい地域に自生している植物でも、比較的寒さに強くなっている株が多いので、初めて植物を育てる方には「国内実生」がお勧めです。稀に他国の実生株として、「タイ実生」や「台湾実生」などが混ざっているので、気になる方は、販売元に確認するといいかもしれません。

・現地球

読み方は「げんちきゅう」と言い、原産地で長い年月をかけて、自然が作った野生の株になります。一から人工的に仕立てられた「実生株」に対して、「現地球株」は激しい雨風や強い日差しにさらされ、長い年月をかけて自然が作りあげた野生の株になるので現地球でしか味わえない、貫禄や深みがあります。その理由から、株の歴史を感じることができ一部の塊根マニアの方は、現地球一択という方もいるくらいです。

・発根管理

発根管理とは、根っこを生やす作業の事を言います。外国から輸入された株は、根をカットされて入ってくるので、日本で育てるには発根管理をしなくてはなりません。そのためこのような表記があった場合は、未発根であることや、これから紹介する状態であるとも言えます。

・初期根(しょきね)

日本で発根管理をして”数mm~数cm根が出た状態で、発根管理中の第2ステップになります。水のやりすぎや根腐れに注意しなければいけませんが、ここまでくればもう安心です。

・根腐れ

塊根植物、多肉植物を育てる上で一番気を付けないといけないことが根腐れです。通気性の悪さや水のやりすぎなどが、主な原因になります。乾燥を好む植物たちの土が、継続して湿った状態が続くことにより、必要以上に与えられた水を吸い上げられず、おぼれて根が腐ります。

・徒長(とちょう)

太陽に向かって植物は、基本的に成長します。しかし、太陽が当たらなくなってしまうと、光を求め上へ上へ間延びしながら伸びていきだらしない姿になります。この現象を徒長と言います。

・葉焼け

徒長を気にしすぎて、日光を観葉植物に当てすぎると今度は葉焼けを起こしてしまう可能性があります。葉が焼けてしまうことを葉焼けと言いますが、根がしっかり生えていない株に起こりやすいです。

・成長点

細胞分裂の活発な部分のことを成長点と言います。成長点から植物が先端方向に向かって成長していきます。

・綴化(せっか、てっか)

読み方は「せっか」「てっか」とも言われており、成長点が突然変異を起こし、帯状に繋がって成長した状態のことを言います。このように通常繋がることのない成長点が、何らかの原因で繋がってしまうので綴化の株はかなり希少とされていて、高額で取引されるほどです。綴化の原因は、成長点が傷つけられたときによって生じるものや、成長ホルモンの異常分泌、遺伝子の突然変異など様々な理由からと言われております。
※「せっか」「てっか」はどちらも同じ意味で使われています。

・石化(モンスト)

読み方は「せっか」「いしか」とも言われており、生長点が通常発生しないところに多数成長点が発生する状態のことを言います。モンストとも言われることもあり、正確には綴化とは異なる状態です。

・斑入り(ふいり)

本来緑色である葉の一部が、白色や黄色、赤色に染まった状態のことを斑入りと言います。斑入りというだけでも、見た目の雰囲気がかなり変わるので、誰とも被りたくないという方は斑入り品種がお勧めです。特にアガベの斑入り品種は、まだ国内でも出回っていない希少種となります。

・腰水(こしみず)

鉢に対して半分浸かるほど水を溜めたバケツを用意してその中に、鉢ごとつける水やり方法のことを腰水と言います。水切れを起こした塊根植物や塊根植物にとても有効な方法で、30分つけるだけで一気に元気になってくれる株もあります。しかし誤った方法でやってしまうと、枯らす原因にもなるので注意が必要です。

・カキコ

アガベで使われる言葉で、親株から出た子株の事をカキコと言います。子株の抜き苗とほとんど一緒の言葉ですが、ベアルート株とはまた別の意味で使用されていることが多いです。

・根鉢、根詰まり(ねばち、ねづまり)

鉢植え植物の土と根が固まった状態のことを根鉢、根詰まりと言います。植物を育て1年以上経過した辺りから、根鉢や根詰まりを気に掛けるようにしましょう。根鉢になってしまうと根腐れの原因にもなりますので、定期的に植え替えをしてあげましょう。

・鋸歯(きょし)

鋸(ノコギリ)の歯と書いて「きょし」と言います。アガベを見る上で一番大切と言っても過言ではありません。鋸歯には様々なタイプがあるので、是非お好みのタイプを探してみてください。

・スピン

スピンとは葉先についているトゲの事を言います。アガベを育てる際に、知っておきたい知識の一つでもあります。

・A面B面

植物には2つの顔があります。A面は一番その株が綺麗に見えたり、個性が見える面の事を言い、反対にB面はその逆を指します。

まとめ

今回は植物を育てる上で、大事になってくる植物の専門用語について紹介してきました。特にアガベは、品種や血統が同じでも育て方によっては、大きく異なる形になることもあります。これを機に植物の専門用語を知り、正しい育て方で素敵な園芸ライフを過ごしてみませんか。